一年中、何かしら学会は全国各地で開催されていると思いますが、私(西村かおる)が関係する学会は5月、6月に集中しています。
今年私が参加した学会は以下のとおりです。
5月17 日・18日 第37回日本老年泌尿器科学会 大会長:原勲(和歌山県立医科大学泌尿器科教授)
メインテーマ「Diversity in Geriatric Urology」 会場:歌山城ホール
5月25日・26日 第33回日本創傷・オストミー・失禁管理学会
大会長:田中マキ子(山口県立大学学長) メインテーマ「煌めくWOCNの力」 会場:海峡メッセ下関
6月15日・16日 第25回日本認知症ケア学会 大会長:諏訪さゆり(千葉大学大学院看護学研究院)
メインテーマ「AI(人工知能)を認知症ケアに生かす」会場:東京国際フォーラム
6月25日・26日 第28回腸内細菌学会 大会長:藤田史郎(日精ファルマ株式会社取締役・健康科学研究所所長)
メインテーマ「腸内環境研究が拓く健康社会〜最新研究の動向と社会実装に向けた取り組み〜」
会場:タワーホール船堀 学会は最新情報を提供する場でもあります。
各々の学会長が選んだテーマを見ても、それが実感できます。ダイバーシティや、AIは一般社会でも広がり、注目を浴びている言葉です。そして腸内細菌はそのものが、今では一般社会の健康ブームの中心です。10数年以上前の腸内細菌学会で発表される演題は、ほんどがネズミの実験研究で、私は満足に理解できず、場違いにいると思い続けてしました。しかし昨今は、今回のテーマに組み込まれた「社会実装」という言葉にふさわしく、人の健康に関する疫学調査や臨床応用のテーマも多く、やっと求めていた学会となった!と本当にうれしい学びの場となっています。
また印象に残ったことの一つは、第37回日本老年泌尿器科学会、第33回日本創傷・オストミー・失禁管理学会では、偶然にも各々の地元酒造の若手代表取締役の講演があり、大変興味深いお話が聞けたことです。和歌山県では、平和酒造株式会社・山本典正代表取締役が「ものづくりの理想郷〜日本酒業界で今起こっていること〜」、山口県では、旭酒造株式会社・桜井一宏代表取締役が「獺祭について〜現代だからこその伝統的なモノ造り〜」というテーマでお話くださいました。お二人とも酒蔵元の長男として生まれても、大学卒業後は全く異なる分野に就職し、結局はあとを継いだという共通点があります。お二人の方法は大きく異なりますが、古い伝統・しきたり・技術がとても強く残る酒造の世界で、紆余曲折、挫折・失敗の中でも海外進出を目指し、まだまだ発展している現在進行形のストーリーは、ドラマよりドラマチックでパワーをたくさんもらったことも共通していました。
地方での学会の楽しみは、豊かな食と歴史、文化に触れることはもちろんです! コロナが明けきった今年は、久々に、はばかることなく、おいしい地のものを堪能し、そして大いに歓談しまくりました。また趣味である神社巡りも日本神社100選のうちの3か所も巡ることができ、とても、とても幸せな学会巡りでした。